06:物質循環サイクル確立による林業と木質バイオマス発電活性化のための地還型自己崩壊コンクリートの開発

平成30-31年度 公益財団法人 カシオ科学振興財団 研究助成

>助成研究の概要

システム工学群の大内雅博教授は、平成28年以来、宿毛バイオマス火力発電所から発生する燃焼木灰を材料とするコンクリートの作成に取り組んできました。木灰に消石灰を混ぜて水を加えて型に入れるとコンクリートのブロック材に整形できます。このブロックは、林道の簡易舗装や斜面の固定壁などに使って十分な強度があることも確かめられています。さらに、長期的には分解して地に還ることが予想されるため環境循環型の新素材ともいえます。

本研究では、これまでの成果をさらに発展させるため次の2点を明らかにします。

第一に、強度を得るため現在は消石灰を加えていますが、木灰を構成する主灰、リドリング灰、飛灰のうち強度発現に寄与する飛灰の性質をうまく活かすことで、木灰だけで純粋の"バイオマスコンクリート"が作れることを示します。

第二に、硬化したコンクリートから肥料として有用な窒素・リン酸・カリのイオンがどのくらい水に溶出するかを調べ、バイオマスコンクリートが森を育てる素材であることを実証します。