02:里山環境の人為的遷移の歴史分析ならびに野外実験にもとづく新里山創成

平成29-31年度 文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究(C)

>科研費(C)による研究開発の概要

里山は古来、人の生業・生活の場として、ときには過剰利用やその抑制政策との間で振幅を繰り返してきましたが、戦後から高度経済成長期にかけて、棚田の耕作放棄から林業への転換、現在ではさらにその林業の放棄により、急速な環境劣化が進みつつあります。

本研究は、高知県物部川流域の里山を対象とし、第一に里山生態系遷移の人為的側面を、土地利用台帳の嚆矢である『長宗我部地検帳』などの歴史文書や集落遺構・遺跡、文化的遺物調査などから環境歴史学的に分析、記述します。第二に大学近傍の実証フィールドで、人工林の伐採と跡地に有用植物を栽培するアグロフォレストリーを実践し、それに伴う環境変化を追跡評価します。それらの結果をGISモデルに統合し、我が国の里山全般に適用可能な新たな環境改善のビジョンとその評価系とを提起します。